「学校でウンコしたがらない子供たち」
の特集をしておった。学校で、友達に見つかるといじめられるから、 ウンコしないんだって。したくなっても我慢するんだって。
ばっかみてえ
なんてことは決して言いません。わしらも子供の頃はそうだった
（結局、日本人は進歩しとらん、ということか）。 学校でウンコしたくなったら一大事。
ともかく、友達が入って来そうもないトイレを探す。たとえば、
校庭の公衆便所とか、普段は人があまりいない理科教室の近くのトイレとか。
そいで、出るときも、全身の知覚を総動員して人気がないのを確認してから、
そおっと扉を開ける。
この「学校でウンコしない」のタブーは、高校入学とともに消え去ったのだが、
他ではどうなんだろう？
以下は、中学時代の友人Ａ氏が、しばらく前のクラス会で、 こっそり筆者に告白してくれたものである。
.... おれんとうが中一の時って、ほれ、校舎建て直してたら。ほいで、
1年だけ、校庭の南側のプレハブ校舎だったじゃん。便所も外に仮設の奴で。
あの便所、狭くて汚かったけんど、
とにかく困ったんが、男子便所に大便用がなかったじゃん。憶えとる？ 一応、
女子と一緒に使う、ちゅうことになってたけんど、ほんなこん言われたって、
実際には女子便所と化してて、とても男が入れるような雰囲気じゃなかったら？
ほんだけん、俺、下痢してた日があってよお、昼飯食ったあと、どうしても、
ウンコしたくなって、でも、２年や３年のいる本校舎は遠くて、行くまでに
漏れちまいそうで。
ウンコしただけで馬鹿にされそうだったし、しかも、いくら男子も使っていいことに
なってたっつったって、女子便所じゃん、実質上は。でも、漏らしたら、
もっと恥ずかしいだろうから、あきらめて、女子便所にへえることにしたんよ。
周りに誰もいないの確認して、裏からすばやく、一番奥に入って、
もう、どきどきだったけんど、すぐ鍵掛けて、ズボンとパンツ一緒におろして、
用を足して、
ホッと一息ついたら、とたんにドタドタと女の一団が入って来たんだわ。
焦る、焦る。切羽詰まったときの女ってすげえよな？ ドンドンドンって、
力一杯扉たたくから、俺ももう必死で中で鍵押さえて、まあ、俺が開けなきゃ
開くわきゃねえんだけど、万一、俺が入ってるのわかったら、もう、
俺生きていけねえ、と思ったからよお。ほんだら、その女、
「まだですかあ！！」
と、うるせえのなんの。声で、クラスのB子だってわかったけんど、
どんなに喚こうが開けるわけにゃあいかんから、必死で息を押し殺して、
扉を中から押さえて、恐怖体験だよ、ありゃ。B子の奴、こっちから、ノック返しても、
あきらめずにノックしてきて、
「まだですかあ！！」
の連呼だもん。あいつぁあ、ゾンビだった。おれ、心臓止まりかけたぜ。
しばらくして、
隣が開いたみてえで、やっと、ノックが止んで、ほいで、昼休み終了の鐘も鳴って、
女しが出て行く気配がしたときは、
「ああ、救われた」
と思ったよ...